型紙を使わない木目込み人形の作り方
木目込み人形干支の作り方
木目込み人形作り全体の流れをご覧ください。
木目込み人形の作り方:布を貼る際のテクニック
複雑な形の部分を入れるための基本です。型紙を使わない、木目込み人形の作り方。(基本編)
1)必要な道具
図1
彫刻刀(丸刀、丸刀細)、反鋏、ヘラ、目打ち、割り箸、のり(寒梅粉)、木工用ボンド、布ヤスリ、キリコ (のりは、セットに入っております。)
2)下準備(ボディーの補正)
図2
- 木目込人形のボデーは抜いた型に筋彫り施したものです。
- まず、ボデーの表面の凹凸を布ヤスリ(紙ヤスリでも良い)でなめらかにします。
- 亀裂などがありましたら、キリコを溶いてよくかき混ぜ、ヘラで表面に塗込みなめらかにします。
- 弊社のセットに付属するキリコは糊が予め入っています。説明書きが付いていますので、その通りに作ってください。
図3
- 補正した部分がよく乾いてから、表面をもう一度布ヤスリで仕上げて下さい。 もしその時、筋彫りがきちんと切れていない部分がありましたら、目打ちの先を水で濡らし筋を付けていって下さい。 彫刻刀の切り出し等でも結構です。(但し、彫刻刀の場合は水は使わないで下さい。)
- 補正については、別途こちらをご覧ください。
図4
- 頭や手を取り付ける場所にあらかじめ和紙(障子紙)を貼っておくと、穴を掘るときにボディーが崩れたりしません。
- 足、手、頭の穴は、大きすぎないようにあらかじめボデーにあて、鉛筆等で印をつけて彫って下さい。
- 少しきつめの方が良いでしょう。
- ボディーの内側は空洞になっています。穴を掘るときには、彫っている部分が空洞に抜け落ちるまで彫ってください。 布を貼り始める前に、必ず首がきちんと入るか確認してください。
- そのとき顔に直接手を触れぬようご注意ください。>
図5
- 下地が出来たらまずは糊を溶きます。のりは粉に対して1.5倍程度の水を使用してください。
図6
- 糊は上記程度の柔らかさに溶いてください。
3)着せ付けの前に!
- 一般に販売されている木目込み人形のキットには型紙を使用するセットと、四角に裁断してある布をそのまま当てていく二種類が有ります。当社の場合は、型紙ナシの四角い布地のキットとなります。その方が有効に使え、柄取り(目立つ所に模様を出したり、柄を合わせたり)が容易にでき、小さな人形ならば余り布で作れる場合も有ります。 従って初心者のうちから型紙なしの作り方に慣れていただくためにも、このような形をとっております。ただ「どうしても、型紙がないと!」というは、 こちらをご覧ください。
4)着せ付け
図7
- いよいよ着せ付けに取り掛かります。
- 初めに、溶いた糊を溝に入れてください。
図8
- 大きい布をそのままボディに当て、必ず大きいパーツになるところから貼っていきます。
- その時出来るだけ布の端から貼っていくようにして下さい。
- 初めから布の中央や、小さいパーツの箇所から貼り始めると、布が足らなくなってしまう可能性がございます。
図9
- 次にきめこもうとする部分に、軽くへらで筋を付けます。 そのとき布が動かない様に片方の手で良く押さえ、少し布にゆとりを持ち。
図10
- 軽く余分な部分を切り進みながら。
図11
- 今度はすこし強めに入れていきます。
図12
図13
-
次々に軽く押さえたところを少しづつ、切り進みながら入れていきます。
- 始めに全部布を切ってしまうと、決め込んでいるうちに布の方向が代わり、足らなくなってしまうおそれがおりますのでご注意ください。
図14
- 最後に布のよけいな部分を切り落とし。
図15
- しっかりと入れていきます。
- 金襴の場合毛羽立ちやすいですから丁寧にきめこんで下さい。
5)小道具の取り付けと仕上げ
- 足と手がある場合は、足、手、頭、小道具の順で取り付けて下さい。
- 頭の部分は、髪の毛を手で持つようして取り付けます。
- なれないうちは、顔に直接手を触れないため柔らかい白地布または、和紙等を使って取り付けると良いでしょう。
- 一度ボンドを付ける前に首をさして、顔の向きなどを確認してください。その段階で、うまく首が入らなかったり、うまく表情が取れない場合は必要に応じて穴を広げます。
- ※削りすぎには注意してください。
図16
- 最終的には穴に対して必ず穴の周りにボンドをつけて取り付けます。
図17
- 頭を取り付けてみて、イメージに合うお顔の向きを決めてください。ボンドが固まる前でしたら、いろいろ好みの表情を試すことが出来ます。もし、少しグラグラする場合は、ボンドを多めに入れてください。
図18
- 髪の毛の乱れは、歯ブラシ等で良く整えて下さい。
- 最後に普通のはさみ(反りばさみは使用しないで下さい。)で髪の毛を切り揃えます。